戦時中の食糧確保は、多くの人々にとって極めて厳しい現実でした。戦争によって物流が途絶え、物資が不足する中で、どのようにして食べ物を手に入れたのかは、歴史を学ぶうえで重要なテーマの一つです。
しかし、私たちにとって、そうした困難な状況を想像することは容易ではありません。食べ物が日常的に手に入らない状況を経験したことのない人々にとって、その具体的な方法や工夫が気になる方も多いのではないでしょうか？
そこで今回は、戦時中の人々がどうやって食べ物を手に入れていたのか、その具体的な方法や背景について詳しく解説します！
戦時中の生活や食糧事情に興味がある方は必見です！
戦時中の食べ物はどうやって手に入れた？
戦争中の食糧確保は非常に困難で、多くの国や地域でさまざまな方法が取られました。以下は、戦争中に食べ物を手に入れるために行われた一般的な手段です。
配給制度（政府による配給）
戦時中に食糧や必需品の供給を管理するために配給制度が導入されました。市民は配給券を使って必要な物資を手に入れました。日本でも第二次世界大戦中、米や野菜などの食糧は配給制で分配されました。
ちなみに日本では、中央区ホームページの「平成20年度 戦中・戦後の食糧事情と配給制度」によると、「主要食料選択購入切符」という切符を使って食料と交換していたそうです。とはいえ、お腹いっぱいに食べられるほどの食料はもらえなかったそうです…。
自給自足
家庭菜園：多くの家庭で庭や空き地を使って野菜や果物を栽培しました。これにより、配給だけでは足りない食糧を補いました。
そして、自宅で鶏を飼って卵を得たり、家畜を育てて肉を確保する家庭も多くありました。
また、海外では「勝利菜園」と呼ばれる家庭菜園が推奨されました。ちなみに、この勝利菜園とはアメリカで、第一次世界大戦時の1917年3月に提唱されたようです。
交換や取引（物々交換）
戦時中はお金の価値が低下することが多く、食糧や必需品を物々交換で手に入れることが一般的でした。
そのため、農家や漁師は自分たちの生産物を他の必要な物と交換しました。
密売・闇市
配給制度では十分な食糧が手に入らない場合、闇市が活発化しました。
闇市では高値で食糧や必需品が売買され、配給外の物資を手に入れる手段となりました。
「はだしのゲン」では、闇市で手に入れた米が没収されるからと、電車から投げ捨てる人がいたり、主人公自身も変装して関所を突破しようとしていましたね。
非常食の利用
保存食の活用:として、干し物、缶詰、塩漬けなどの保存食が非常時の食糧として重要な役割を果たしました。これらは長期間保存できるため、戦争中の不安定な供給状況に対応するために利用されました。
公共食堂
一部の都市では、公共食堂やが設置され、特に貧困層や戦争による被災者に対して食事が提供されました。
とくに、地域コミュニティが自然と発足され、地域の共同体や家族間で食糧を分け合ったり、助け合うことが行われました。これにより、困難な時期でも互いに支え合いながら生き延びることができました。
いわゆる炊き出しですね。
実際の戦時中の食べ物とは？
戦時中の食べ物を再現した料理が以下の画像です。
引用：中國新聞
ただし、再現なので当時の貧しい人たちはこれよりも量が少なく、満足のいく食事が取れていなかったと推測できます。
実際に「イワシ干物の梅干し種煮など、試作した戦時中の食事」との記載があったので、おそらく蒸し芋などがメインだったのではないでしょうか。
僕自身、完全に「火垂るの墓」のイメージが先行しすぎて、芋一個とかんそんなレベルだと思っていました…。なので、上記画像は結構裕福な家庭のものだったのかもしれませんね。
戦時中の食べ物はどうやって手に入れた？のまとめ
ここまで、戦時中の食べ物はどうやって手に入れた？を中心に解説しました。
戦争中の食糧確保は多くの人々にとって大きな課題であり、生き延びるためにさまざまな工夫と努力がされていたことがわかりますね…。
どの方法も、厳しい状況の中で少しでも生活を維持するための知恵が出ています。
戦争によって物流が途絶え、物資が不足する中で、多くの人々は配給制度を利用し、自給自足や家庭菜園で補完したのはもちろん、闇市ができたのも仕方ないことかもしれませんね。
