国際連合安全保障理事会の常任理事国は、世界の平和と安全における重要な役割を果たしています。
その選定プロセスは、第二次世界大戦後に決められていますが「そもそも常任理事国はどうやって決まったのか?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、常任理事国は「どうやって」決まったのかをわかりやすく簡単解説していきます!
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国連安全保障理事会の常任理事国はどうやって決まったのか
常任理事国は、国際連合憲章の制定時に決定されました。
1945年のサンフランシスコ会議で、アメリカ、イギリス、ソビエト連邦(後のロシア)、中国、フランスの5つの国が常任理事国として選定されたのです。
これらの国は、第二次世界大戦終結から78年を経た現在も、常任理事国の地位を維持しています。
5カ国が常任理事国として選ばれている理由とは?
常任理事国の選定は明確に定義されていないものの、この5カ国が常任理事国として選ばれている理由は以下があります。
- 当時の世界の大国であること
- 第二次世界大戦における勝利国であること
- 国際政治に大きな影響力を持つこと
特に、アメリカ、ソビエト連邦(後のロシア)、イギリスは当時の世界の主要大国であり、中国もアジア地域の重要な存在でした。フランスは、ヨーロッパの中心的な役割を果たしており、常任理事国の地位を獲得しました。
常任理事国は、安全保障理事会の決定において拒否権を行使できる特権も持っています。これは、理事会が重要な決定を行う際に、多数決によって阻止できることを意味します。
常任理事国の特権とは?
常任理事国には、「拒否権」という特権があります。具体的には以下3種類の拒否権があります。
- 安保理決議の採択を阻止する権利
- 非常任理事国の選出を拒否する権利
- 国連事務総長の選出を拒否する権利
拒否権は、第二次世界大戦後の国際情勢を反映して設けられ、国際社会の平和と安全を維持するためには、大国の協力が不可欠と当時は考えられていました。
そのため、拒否権は、5常任理事国がそれ以外の非常任理事国の意思決定に反対した場合、その意思を尊重するための措置として導入されたのです。
特に、新興国や地域勢力が台頭し、世界が変化している中で、常任理事国の構成に変更が必要かどうかが問われています。
これに対する提案として、「インド、ブラジル、日本、ドイツなど、国際社会における影響力が増している国を常任理事国に加える」案や、「人口、経済規模、国際貢献度など、客観的な基準に基づいて常任理事国を選定する」基準の制定案などが提起されています。
常任理事国の「拒否権」が批判されている理由とは?
このような状況を受け、常任理事国の「拒否権」について、拒否権の行使を特定の状況に限定したらどうかを改める議論が活発化しています。
拒否権は、常任理事国が理事会の意思決定に大きな影響力を持つことを保証しますが、同時に「拒否権を行使した理由を説明する義務を課したらどうか」などの批判も浴びています。
特に、一部の国々は、常任理事国の地位が一部の国に不当な権力を与えていると主張しているのです。
常任理事国はどうやって決まったのか?のまとめ
ここまで、常任理事国はどうやって決まったのか?から、拒否権の見直しが必要な理由について解説しました。
常任理事国はアメリカ・ロシア・イギリス・中国・フランスの5カ国であり、これには戦勝国であること、国際政治に大きな影響力を持つことなどが挙げられます。
しかし、直近ではこの常任理事国への参入条件や拒否権の見直しなども行われています。日本は2024年2月現在非常任理事国なのですが、近い将来常任理事国へと参入できることに期待ですね!