海底ケーブルは、世界中のインターネットの基盤を支える重要なインフラです。光ファイバーケーブルを中心とした通信ケーブルが海中に敷設され、音声やデータ通信を伝送します。その総延長は約140万kmにも達し、地球の約35周分に相当します。
一方で、こんなにも大規模な海底ケーブルを「どうやって設置しているのか?」と気になる人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、海底ケーブルは「どうやって」敷いたのか?やいつから、どこから設置したのかも解説していきます!
設置はもちろん、管理も大変そうですよね…。
海底ケーブルとは?
引用:https://tiisys.com/blog/2022/05/27/post-107186/
海底ケーブルとは、水深数千メートルもの海底(1,000m〜8,000m)に敷設される、海外とのネットワークを繋ぐ直径17mm〜60mmほどのケーブルです。
ちなみに、浅瀬のほうが船や人為的による破損のリスクが高いので太いケーブルを使い、深いところは細いケーブルで済むそうです。
このようなケーブルを設置する理由は、無線より有線の方が圧倒的に速く安定するからです。実際に、無線の距離よりも有線の距離のほうが4分の1ほどで済みますしね。
一番最初の海底ケーブルは、当初は嵐や船の燃料が不足したり、ケーブルが途中で断線したりしたこともあったそうですが、「実際に使える実用的なケーブル」は1866年に完工したようです。
日本だけでも30本ほど、世界を含めると400本以上ある海外とのインターネットの99%をこのケーブルが担っていると考えるととんでもない技術ですね…。
そもそも、海外とのインターネットに接続できるのが、無線ではなく有線であったことに驚きですよね…!
(5ステップ)海底ケーブルはどうやって敷いてる?
ここでは、超ざっくりした「海底ケーブルの敷設5ステップ」をご紹介します。
もちろん、専用の船舶と高度な技術が必要ですが大まかに以下になります。
- ルート選定:海底地形や海底地震の発生リスクなどを考慮し、最適なルートを選定します。
- ケーブル製造:長距離伝送に対応できる高性能な光ファイバーケーブルを製造します。
- ケーブル敷設船:ケーブル敷設船は、巨大なケーブルドラムを搭載し、海中をゆっくりと進みます。
- 海底設置:ケーブルは海底に沈められ、海底地形に合わせて自然に沈むように設計されています。
- 接続:ケーブルは陸上の通信設備に接続され、通信ネットワークが完成します。
4の設置作業では船に乗せながら設置していくのですが、接続先が遠い場合はお互いの海岸から海上の目的地まで同時に出発し、海上で接続する場合もあるようです。
もし、海底のケーブルが破損した場合は、専用の「海底ケーブル敷設船」がケーブルの両端を引き上げ、船の上で接合修理をして、再び沈める作業が実施されます。
規模がめちゃくちゃでかいですね…!
海底ケーブルはいつから敷かれてる?
海底ケーブルの歴史は「1840年代」まで遡ります。
ちなみに、初めての1854年には「イギリスとフランス」を結ぶケーブルが施工されました。
一方、1858年には大西洋を横断するケーブル(約3,000km)が敷かれた際には、途中でケーブルが断線したり、船や燃料が不足したりしていたので、3度目の挑戦でうまくいったようです。
この海底ケーブル敷設を皮切りに、イギリスは植民地を繋ぐ海底ケーブルを次々に繋いでいき、そのケーブル網が赤く地図上で塗られていたので「オール・レッド・ライン」と呼ばれるようになったのです。
そして、日本初の海底ケーブルは「ウラジオストクー長崎」「上海ー長崎」を結ぶものが最初とされています。
初期のケーブルには「ガタパーチャ」と呼ばれる木の樹脂を使っていたそうです。水の中では強度が増して酸化もしなかったので、絶縁体として格好の素材だったとか。
海底ケーブルはどこから敷いてる?
上記の画像は現存する海底ケーブルの一覧です。(https://www.submarinecablemap.com/で見られます。)
このように、全世界の海に非常に多くのケーブルが敷かれていることがわかりますね。ちなみに、日本と各国を結ぶ海底ケーブルの大半は、以下の箇所に集中しています。
- 北茨城(茨城県)
- 南房総(千葉県)
- 志摩(三重県)
これは、アメリカ、アジアなどを結ぶ海底ケーブルがあるためで、関東地方のみで海底ケーブルが半分以上を占めるようです。
とんでもない数あるやんけ!w
海底ケーブルはどうやって敷いてる?のまとめ
ここまで、海底ケーブルはどうやって敷いてるのか?からいつから、どこから敷かれているのかまでを紹介しました。
海底ケーブルは、船を使って海岸から海底に下ろして設置していきますが、数千kmの距離間で設置する場合にはお互いの海岸から船を出発させ、海上で接続する方法が取られます。
また、歴史としても意外と古く、19世紀にはもう実践されていたというのだから、技術や科学の発展ってすげー!と思わせられる結果でしたね。