台風は、毎年日本で大きな被害をもたらす気象現象の一つです。暴風と豪雨による建物の倒壊や浸水、農作物への被害など、その影響は計り知れません。一般的に、台風は非常に危険な存在とされています。
しかし、台風の正体や発生原因については、なかなか理解が難しいものです。気象用語が分からなかったり、発生プロセスが複雑だったりと、素朴な疑問が残ることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「台風がどうやってできるのか」を、わかりやすく解説していきます。
- 台風の仕組みや発生原因に興味がある人
- 自然現象への理解を深めたい人
- 防災の基礎知識を身につけたい人
この記事を読めば、台風の正体と発生メカニズムが理解でき、災害時の適切な備えにもつながります。
台風はどのようにしてできるのか?
発生の条件
台風が発生するには、以下の3つの条件が必要とされています。
- (1) 広い範囲で海水温度が27℃以上である
- (2) 高度約6kmまで湿った空気が存在する
- (3) ある程度の渦(低気圧の回転)がある
この3つの条件が重なると、台風の胚芽が生まれます。特に海水温度が重要視されており、気温が高いほど蒸発量も増え、台風の発達を助長します。
温暖化なんかも影響しているんでしょうか…?
発達のプロセスとは?
発生した台風の胚芽は、次第に低気圧が深まり渦状の雲が大きくなっていきます。
同時に雲の回転が速まり、急激に発達します。このプロセスを経て、円形の渦巻き状の雲(台風の目)と、周囲の壁状の雲群(台風の眼の壁雲)が形作られていきます。
旭川市の例では、1994年に襲来した台風8号は、発生から6日後に北海道に上陸しましたが、その際の風速は時速40mを超えていました。発達が早ければ早いほど、被害も大きくなるのです。
できあがった台風の構造は?
できあがった台風には、以下のような特徴的な構造があります。
(1) 中心の穴(台風の目) 台風の中心には、上空から見ると穴が開いた状態になっています。これを「台風の目」と呼び、台風の中心に位置しています。
(2) 壁状の雲群(台風の眼の壁雲) 台風の目を取り囲むように、高く盛り上がった壁状の雲群が存在します。これが「台風の眼の壁雲」で、台風の最も強い風や激しい雨が観測される場所です。
(3) 腕状の放射状雲(台風の雲帯) 台風の眼の壁雲から、ねじれた形の腕状の雲が広がっています。これらが「台風の雲帯」で、強風域の広がりを知ることができます。
台風の勢力の指標とは?
では台風の強さはどのように表すのでしょうか。
台風の勢力を示す代表的な指標が「最大風速」です。世界気象機関(WMO)では、最大風速によって以下のように台風の強さを区分しています。
- 最大風速17m/s未満 :熱帯低気圧
- 最大風速17m/s以上24m/s未満 :弱い台風
- 最大風速24m/s以上39m/s未満 :強い台風
- 最大風速39m/s以上 :非常に強い台風
最大風速が強ければ強いほど、台風の勢力は猛烈になります。例えば2018年の西日本を直撃した「台風21号」は、最大風速55m/sの非常に強い勢力を持っていました。
参考:国際連合広報センター
台風はどうやってできるかの条件やメカニズムまとめ
ここまで、台風はどうやってできるかの条件やメカニズムを解説しました。
台風は発生から構造、強さまで、複雑な過程を経て出来上がる自然現象です。その仕組みを理解することで、台風に対する危機意識を持ち、適切に備えられるはずです。
台風自体が怖いのはもちろんですが、気圧の変化で頭が痛くなるのも悩ましい問題です…泣